Les Sang et Or

Jリーグ名古屋グランパスサポの日記です。

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2006ドイツW杯旅行記(その7)~ミュンヘン編3

あの2000年のユーロ,準決勝でポルトガルを破ったフランスは,決勝でイタリアと対戦。

FWマルコ・デルベッキオのゴールで先制し,伝統の「ウノゼロ(1-0)」で逃げ切ろうとしたイタリアの思惑を,試合終了寸前,フランスFWシルヴァン・ヴィルトールの絶妙なコントロールショットが打ち破る。
準決勝オランダ戦でPKを止めまくった勢いそのままに,この試合も90分間以上にわたって鉄壁の守備を見せてきたイタリアGKフランチェスコ・トルドの身に,最後の最後に来て降りかかった悪夢!

延長突入後は勢いに乗ったフランスの圧倒的ペース。最後はMFロベール・ピレスが入れた美しいクロスをFWダビド・トレゼゲがボレーで突き刺し,じつに劇的な優勝を飾った。

こうしてW杯とユーロを連続して制した初めてのチームとなったフランス。
しかし,結果的には,これがこのチームのピークとなってしまった。

02年日韓大会は,直前の親善試合での負傷でジダンを失ったのが響き,1勝もできぬまま屈辱のグループリーグ敗退。
続く04年ユーロは,アンリを孤立化させるギリシャのゲームプランにまんまとはまり,準々決勝敗退。

そして今ドイツ大会。
さらに弱体化してしまったフランスは,ヨーロッパ予選の段階で,もはやヨレヨレ状態。
あわや予選敗退という危機を,04年ユーロ後に代表引退していたジダン,マケレレ,テュラムを呼び戻すことで何とか立て直し,本大会出場を決めてはきていた。
しかし,最終登録メンバーは,経験豊富といえば聞こえは良いが,完全なるロートル集団。
明らかに年齢が高すぎるこのチームが,本大会において,よもやベスト4まで勝ち上がってくるとは,一体誰が予想できただろうか。

チームが蘇るきっかけとなったのは,やはり大会前のジネディーヌ・ジダンの現役引退表明だったのだろうか。
フランスが負けたそのときに,稀代の英雄の選手生活もまた終わると決まったとき,代表メンバーの心に去来したものは・・・。

とはいっても,フランスの低調ぶりはすぐさま改善されるようなものではなかった。
グループリーグ最初の2試合,スイスと韓国相手にいずれもドロー。
しかも当のジダンは各試合で1枚ずつイエローカードを受け,第3戦トーゴ戦は出場停止。

「うわ~ジダンがおらんまま終戦ってことになったら,韓国戦がジダンのラストマッチ・・・それは泣くに泣けんな・・」
と,一瞬心配したのだが,さすがに初出場トーゴには無難に勝ち,フランスは勝ち点5のグループ2位で何とか決勝トーナメント進出。
しかしながら,1回戦の相手が,8得点1失点という圧倒的な攻撃力でグループリーグを三連勝で通過してきたスペイン・・・
もはやジダンとフランスの命運もここまで・・・と覚悟したのは僕だけではあるまい。

そのスペイン戦。
いきなりフランスは蘇生した。
PKで先制されながらも鮮やかな逆転勝利。
ヴィエラ・マケレレ・テュラム・ギャラスで組んだ要塞のような中央の守備。
新兵器フランク・リベリーの脅威的運動量とキレ。
そして,消える寸前の蝋燭の炎のような輝きを見せ始めるジダンの舞い。

ジダンと共に蘇ったフランスは,その圧倒的な守備力でブラジルをも飲み込む。
FKからアンリが取った1点,ただそれだけで十分だった。
「ジダン最後の旅」を終わらせず,堂々のベスト4進出。


そして今日,決勝進出をかけてポルトガルとの対戦である。

試合前の練習。

ポルトガルのアップ ポルトガルはリラックスムードでストレッチ。

審判団も走る・・ フランスは並んでのランニング。


フランスの前を走っているのは今日の審判団。
ふと気づくと水色のユニの一団が何故か審判を応援する横断幕を掲げて声援を送っている・・・
よく見ると,ウルグアイのユニだ。
そう,今日の主審ホルヘ・ラリオンダは,オーストラリアにプレーオフで破れ本大会出場ならなかったウルグアイから唯一のドイツ大会参加者なのだ。
しかし,わざわざ横断幕まであつらえて主審の応援とはなああ・・・
日本で言うなら,イタリア大会に高田静夫主審を応援に行くようなもん?
いやはや,伝統国の奥深さをこんなところでも改めて感じてしまいました(嘆息

練習が終わって選手が引っ込み,メンバー紹介。

ポルトガルのスタメン ポルトガルにはデコも戻ってきた。
双方言い訳の効かないベストメンバーでのガチンコ勝負。

フランスのSUB 我がアルー・ディアッラ(前々回参照)はやっぱりベンチ(笑

選手入場。

選手入場! 

個人的な注目選手はやはりこの人,
頬に傷持つ伊達男 頬に傷持つ蒼き新星,フランク・リベリー。
本大会までその存在すら認識しておらず,不明を恥じるばかり。

いよいよキックオフというタイミングで広がるフランス応援席のビッグユニ。
ビッグユニ おお,アディ○スのマークがない。
どっかの国のように協賛じゃないねこりゃ。やっぱ応援は自腹切ってナンボや!

試合開始。
クリスティアーノ・ロナウドが持つ度に会場全体からもの凄いブーイングと指笛が起こる。
「あれ?あいつが退場に追い込んだのはルーニーだぞ,なんでフランス人がこんなに根に持ってるんだろう・・なんか会場の雰囲気からすると,ドイツ人の観客もブーイングしてるみたいだし・・何でここに来て英独仏連合軍??これってもしかして歴史的一戦???」と,頭の中にクエスチョンマークが広がりながらも,尻馬に乗って指笛を吹く僕(笑)

・・・この時の僕は,何度もBBCが流し,世論を一気にアンチロナウドに傾けたという,ルーニー退場後のウィンク映像を見ていなかった。
チェッ,あれを見てたらもうちょっと気合いいれてブーイングしたんだがなあ(笑)

異様な雰囲気のなか,前半に試合が動く。
フランスFWティエリー・アンリが,ペナルティエリア内でボールを受け高速ターン。
逆をつかれたポルトガルDFリカルド・カルバーリョ,この名手にして重心移動が間に合わない。
前を向いたアンリの目の前に無防備に差し出されたカルバーリョの足。
アンリのスキルをもってすれば,これをかわすのは易しかったはずだが,彼はあえて引っかかって転倒することを,間違いなく意図的に選択した。
文句のつけようがない,実に見事な「芸」。

笛を鳴らし,ペナルティスポットを指す主審ラリオンダ。
PKだ。

ボールをセットするジダン ボールをセットするのは,もちろん・・・ジネディーヌ・ジダン。

僕の周囲のポルトガルサポーターは,PK職人として名高いGKリカルドに向かって祈りを捧げる。
・・・こないだランパードとジェラードとキャラガーを止めたんだ,今日も絶対止めてくれる!

その祈りは確かにリカルドに届いていた。
右に飛んだリカルドの読みはドンピシャ,タイミングも完璧。
しかし,ジダンの研ぎ澄まされたキックの精度とスピードはさらにその上を行っていた。
リカルドが伸ばした手のわずかに外を通過してサイドネットに突き刺さるボール。
フランス先制。

1点奪われ猛攻をしかけるポルトガル。
しかしフランスの守備は堅く,中央に侵入するのは至難の業。
サイドからのクロスもことごとく跳ね返される。
ストライカーとしてよりチャンスメーカーとして期待されていたと思われるFWパウレタもその動きを封じられ,
頼みのデコも,ヴィエラ&マケレレの前に完全に消されている状態。
ポルトガル今大会最大の武器MFマニシェのシュートも,遠目からでは威力半減。
なんとも攻め手が見つからないポルトガル。

試合は後半へ。
ここでポルトガルにとっては痛すぎる,右SBミゲルの負傷退場。
ますます膠着する攻撃。

・・・僕はこの時点で何となく違和感を感じ始める。
 このまま何事もなく試合が終わり,フランスがPKの1点を守りきって堅実に決勝進出,というのは何だか・・・
 ジダン引退の花道のための出来レースみたい・・・
 FIFAとしてみりゃ美味しいシナリオなのかもしれんが・・・
 周りからあつらえた舞台なんて英雄の最後にふさわしくない・・・
 もっと荒れろ!もっと波乱を!もっと神話を!
なんだかそんな気分になってしまったのだった。

「よし,とりあえず同点にするまでポルトガルを応援しよう」あっさり宗旨変えする僕。
この辺りは第三者だから気楽なもんだ。

1点取ってからカウンターに徹していたフランスは,リベリーを下げて逃げ切り体勢。
このままでは逃がさんぞドメネク!

しかしポルトガルは,相変わらず連動的な攻撃ができない。
クリスティアーノ・ロナウドとフィーゴが各サイドで見せる個人技を,他の選手が見てしまっている状態。
スコラーリはパウレタに替えてシモン・サブローサを送り込み,ピッチ上をMFだらけにするという奇策に出るがやはり機能せず。

こりゃあかんかな・・と思っていた後半30分過ぎ,ポルトガルにゴール正面で直接FKのチャンス。
ジダンが前半にPKを決めたのと同じ,僕らの目の前のゴールだ。
フィーゴかデコが蹴るのかなと思って見ていると,ボールに行ったのはクリスティアーノ・ロナウドだけ。
ここでのキッカーを任されるのか・・・もうこの代表は完全に彼のチームなのだな・・・
大ブーイングの中,直接ゴールを狙ったクリスティアーノ・ロナウド。
そのボールは,今大会で一躍脚光を浴びた無回転。
GKバルテズの手前でフォークボールのように沈む瞬間を,僕は目の前で確かに見た。
ボールの軌道を予想して構えていた両手を慌てて下で構え直そうとしたバルテズだったが,変化が急すぎて間に合わない。バレーボールのアンダーハンドレシーブの様にボールをはじいてしまう。
完全にはじいて遠くに飛ばせればまだよかったのだが,なまじ取りに行ったものだから,中途半端に威力が吸収されてしまい,フワフワと空中をさまようボール。

これに誰より早く反応するフィーゴ,一瞬の勝負勘はいまだ衰えを知らない。
フランスDFより前に頭で飛び込んでいく。
しかし,残念なことに,ジャンプのタイミングと落下点が微妙にズレていた。
ボールはクロスバーの上を通過し,ポルトガル同点ならず。

結果的にこれがこの試合ポルトガル最大のチャンスとなってしまった。
試合は1-0で終了し,フランスが決勝進出。

何か釈然としないままフランスの危なげない勝利と,ジダンの引退が1試合延長されたことを見届けた僕。
帰国後,あの「頭突き」での幕切れにある意味で納得したのだが,それはまた別の話。

光るアリーナ 外に出てみるとアリーナは白色に美しく光っていた・・・

(もうちょっとだけつづく)



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  1. 2006/09/13(水) 18:27:15|
  2. 2006ドイツW杯
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

なんと前回から1ヶ月もあいてしまいました。
どうもスイマセン。
  1. 2006/09/13(水) 18:29:12 |
  2. URL |
  3. astin #-
  4. [ 編集]

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あんな馬鹿馬鹿しいもの
  シラフで見てられるわけがねえ

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