Les Sang et Or

Jリーグ名古屋グランパスサポの日記です。

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2006ドイツW杯旅行記(その4)~ドルトムント編2

ドイツ人たちと一緒になって調子に乗っているうちに,時間も順調に経過し,キックオフまで1時間あまりとなったところで,いよいよ入場することに。

と,スタジアムへ向かおうとした我々を,お巡りさんが呼び止めるではないか。
え?そりゃあ調子(と,椅子の上)には乗ってたけど,何かを壊したりはたぶんしてないと思いますが,何か問題でも?

すると,お巡りさんは,ドルトムント警察のオリジナルらしきポスターとピンバッジを示して,「欲しけりゃあげるけど要る?」と聞いてきた。

警察のポスター 勿論いただきますとも!

いやはや地元の警察までもがW杯に際してグッズをこしらえて,客に配るとはなあ。
ポリツァイ・ドルトムントへの好感度が高まるとともに,この国が骨の髄までサッカーの国であるということを改めて思い知ったのであった。

あ,報告ですが,僕のグランパスユニに対するドイツ人の反応はゼロでした(笑
まあ仕方ないスね。

さあ入場ゲート。
ボディチェックは非常に厳重で,持ってるバッグのすべてのポケットを開けさせられる。さっきもらったポスターも,丸めてあるのを開いて何か隠してないかチェックが入る。
あの,これをくれたのはお宅のポリツァイなんですが・・

チケットを読み取り装置にかざして認証されると,回転式のバーが動いて中に入れる。
映えある本人確認対象者には,無事当選せず。
いよいよスタジアムのなかへ。
74年大会に合わせて建築されただけあって,さすがに内装はやや古ぼけており,通路や階段は結構狭い。

チケットで指定されたゲート番号を探すと・・すぐ発見。
階段を登り,出入り口を出る。
視界がひらけ,色鮮やかな芝生のグリーンがすぐに目に飛び込んでくる。

来た。
ここが,
こここそが,
ドイツサッカーの中心。
ヴェストファーレンへようこそ!

切り立つ壁のような観客席がピッチの四方を囲んでいる。
サッカーのためだけに作られた空間に,余計なものは何もない。
我がトヨタスタジアムのゴール裏2階席も国内屈指の傾斜角を誇っているが,ここでは,ホームバック含めたすべてのスタンドにおいてあれよりちょっとキツい位の角度が確保されている。
黄色と黒,このスタジアムをホームとするボルシア・ドルトムントのチームカラーで塗り分けられたスタンドは,まだあまり席が埋まっていない段階でも既にすさまじい威圧感。
これでフルハウスになった日にゃあどうなるのか・・

ヴェストファーレンのスタンド

自分の席を目指し,さっき登ったのよりもさらに急な階段を「登攀」する。他のツアーメンバーの方の笑顔に迎えられ,無事自分の席に到着。
前の席との高低差が激しいのは,スタンドの角度のたまものだ。
これならばたとえオランダ人に前に立たれても,自分も立ちさえすれば,余裕で視界が確保できる。

見よこの角度  この段差は助かります


落ち着いたところで周囲の状況を見渡してみた。
反対側ゴール裏スタンドのほんの一区画に青色が見えるほかは,一面の白。
ああ,席がドイツ側になるようにと祈る必要などなかった。
ここは,ほとんどドイッチェラントそのものだ。


徐々にスタンドが埋まっていく。
ピッチの上では試合前の練習が始まろうとしている。
まず出てきたのはドイツGKイェンス・レーマン。スタンドから拍手。

アップするオリバー・カーン 今日もオリバー・カーンはこれまでと同じくベンチを守る。

準々決勝アルゼンチン戦のPK戦前,それまで不動の姿勢で構えていた彼が,レーマンに歩み寄ってその肩を抱き寄せ,気合を入れたシーンはほんとうに感動的だった。
あのひと仕事をすることだけのために,このチームに存在していたかカーン・・・


と,感慨にふけっている僕の耳をつんざく指笛の音。
本日の悪役,
イタリア代表見参。
オーストラリアを土俵際でうっちゃり,ウクライナには格の違いを見せつけて,準決勝に乗り込んできた。
ことドイツにはめっぽう強いイタリア。82年スペイン大会決勝,「タルデリの雄叫び」で有名なあの試合もドイツにはほとんど何もさせなかった。今日もあの日の再現を狙う。


間もなくしてドイツ代表がピッチに登場,とたん,割れるような大歓声。


・・・凄い。
音圧が違う。
全員がドラえもんの「コエカタマリン」を飲んでるのかとすら思う。
自分の鼓膜が揺らされているのがはっきりと自覚できる。
三半器官が狂わされてしまいそうだ。
スピーカーを介さない人間の生の声でこんなことが起こりうるのか・・
これが,ヴェストファーレンの声。
対戦相手を文字通りの孤立無縁の状況に追い込んでしまう,「ホームの利」などという生易しい言葉では表現しきれない声だ。

じっさいドイツ代表は,このスタジアムにおいて過去14戦して13勝1分と不敗を誇っており,勝負のかかった試合には常にここを使ってきたのである。
対戦相手にとって,ここは「絶望的にアウェイ」だ。
こんなところで試合するのは御免だ・・・心からそう思った。
イタリア代表も同じ気持ちだろうか?それとも?

練習を終え,いったん引っ込む両チーム。
場内では,本日のスタメン紹介が始まる。
アナウンスが名を呼び,観客が姓を叫ぶ,お馴染みの掛合い。
「ミヒャエル・・・」「ばああああらあああああっっっく!!!」
#13,不動のキャプテンに対するコールの大きさはまた格別だ。

選手紹介の途中,ふと少しの違和感を感じた。
あれ,フリンクスがいないんじゃないか?
代わりにコールされたのはセバスチャン・ケールだ。

ドイツ代表#8トルステン・フリンクス。
奇行で知られるこの男だが,この大会においてはここまで実に安定した仕事ぶりを見せてきた。
開幕戦のダメ押しゴール。
試合終盤まで落ちる気配のない脅威的な運動量。
いざというときの汚れ仕事。
バラックがこのチームの心臓部だとすれば,フリンクスは心臓に酸素を供給する肺だ。
そのフリンクスがいない。
累積警告?そんなにカードもらってたっけあいつ?

この旅行中ほとんどネットに接続できず,情報から遮断されていた僕は,アルゼンチン戦終了後のいざこざでもってフリンクスがFIFAから出場停止を食らっていたことなど知る由もなかった。
ましてや,彼の暴行場面をFIFAにチクったのが,本日の対戦相手であるイタリアのTV局であることなど・・


選手入場・・ いよいよ選手入場。

満員になると・・ お決まりのセレモニー。

イタリア国歌に対するブーイングは大してない。この辺りはドイツ人の品位と節度を感じる。
まあ,オランダ相手だったら話が違ってくるのかもしれないが。
午後9時キックオフ。まだ空が明るい・・。

その後の試合展開についてあえて記す必要はないと思う。
印象に残ったことだけ断片的に書いてみよう。

<ドイツ人の応援について>
コールのバリエーションは少ない。「ドイッチェラント」のコールが3パターンくらい。
選手コールは,「なごーやぐらんぱす」「やなーぎさーわ」と同じ節の「イェーンスレーマン!」,ほとんどこれ一つだけ。
あと前回に紹介した「Berlin,Berlin,・・・」の大コール。
どのコールも,スタンドのどこかで自然発生したコールに,あっという間にスタンド全体が呼応する。その反応が実に早い。
それから,審判がイタリア有利の判定をしたときには,「FIFA!FIFA!」の大合唱。
後から聞いたところによれば,これにはフリンクスを出場停止に追い込んだ主催者への抗議の意が込められていたとのこと。
あと,何より凄かったのは,イタリアがボールを保持したとたん鳴り響く指笛のバカデカさ。
試合後しばらくの間,耳がぼわ~んとなったままだった。
日ごろ口先で「ぶう~」と言うのがブーイングだと勘違いしている連中を見ているだけに,そのギャップがたまらなかった。

<立ち上がるタイミングについて>
我々の席はカテゴリー2という,ゴール裏にしては値段が高めの席だったこともあり,周囲の観客も基本的には座って観戦する人ばかり。
しかし,「ここ!」というところでは皆が立ち上がる。
その,立つかどうかの見極めが早い。
チャンスの匂い,ピンチの匂いをいち早くかぎとって立つ。
誰もかれもがサッカーというものを非常によく知っている。

<ドイツ代表について>
これがあの見事なムービングサッカーを見せたスウェーデン戦と同じチームなのかと疑いたくなるほどの停滞した攻撃。
シュバインシュタイガーに代えてボロウスキを起用したことが裏目に出,ラームとのコンビのちぐはぐさを生んでしまった。まあラームも研究されていた感があるが。
ザンブロッタに脅威を与えるシーンはほとんど見られなかった。
今大会で徐々に調子を上げてきていた2トップも,クローゼ,ポドルスキともに,決定機はほとんど作れず。
シュート自体も少なかったが,イタリアの守備の出来が良すぎて,崩してシュートを打つという場面がなかった。

<バラックについて>
開始当初はそれなりの動きだったが,時間が経つにつれ,みるみるうちに動けなくなっていった。
やはり本調子にはほど遠く,本当はクリンスマンとしても出したくなかったのではないか。
加えてフリンクスの不在もまた大きかった。
ケールも悪い選手ではないが,くたばりかけの心臓に酸素を送り込んで無理やり動かすという芸当は,やはりあの男にしかできなかったろう。つくづく彼の出場停止が悔やまれる。
まあ決勝でのジダンのふるまいと同じく,いらんことするからフリンクスなのだが・・

<ピルロについて>
PK戦突入寸前の土壇場で先制点をお膳立て。
CKのこぼれが彼にわたった瞬間,見ている誰もが「撃つ!」と確信しただろう。
その確信をを鮮やかに裏切り,血も凍るかのような冷静さを見せてグロッソへ通した悪魔的なスルーパス。
この世ならぬものを見てしまった気分だった。
決めたグロッソも偉かったが,まああれは何も考えずに足振っただけだろう(笑

<イタリアの守備について>
絶対に何かポカをやらかすと期待していたマテラッツィが,意に反してじつに落ち着いた守備を見せたことも驚きだったが,それ以上に印象に残ったのは,デルピエロのダメ押しゴールにつながったカンナバーロのインターセプト。
この試合ドイツの攻撃があまりうまくいかなかったこともあって,ほとんど目立っていなかったカンナバーロだったが,グロッソの先制ゴール直後のドイツの攻撃に対し,ポドルスキのトラップが甘く浮いたところを見逃さず,120分戦った後とは思えぬ鬼気迫るダッシュでカット。
このボールがイアクインタ,ジラルディーノとつながり,デルピエロが決めて,ドイツに引導を渡したわけだが,あそこであのプレーができたというのは,やはりカンナバーロの中に「少しでも隙を与えたらやられる・・」という,いわゆるゲルマン魂的なものに対する恐怖感があったからではなかろうか。
逆に言えば,この,イタリアが持っている,本能的な守備感覚こそが,ドイツとの相性の良さの所以なのかもしれない。

<ふたたびドイツ人について>
グロッソのゴールが決まった後,声を失い固まるスタンド。動いているのはほんの一部分の青色だけ。
すぐにコールを始めることができないドイツ人。
サッカーを知っているだけに,この時間の失点がほとんど死を意味することを悟っているのか。
その様子を見て,「ドイツ人にも諦めるってことがあるんだなあ」と妙な感心をしてしまった。

つはものどもがゆめのあと その直後デルピエロのゴールに再び呆然と立ちすくんでいた
ドイツ人たちだったが,間もなくして場内から巻き起こる大拍手。

それは,大会前の悲観論をはねのけ,じつに見事な戦いぶりを見せてくれた若い代表チームに対する心からの賞賛であり,「お前ら,よくここまで連れてきてくれたなあ」という感謝の声だったろうか。

やがてスタジアムに流れ出す,「You'll Never Walk Alone」。
嗚呼,なんと見事な選曲!


・・・試合終了後,濃密すぎる展開に身も心も疲れ果てた我々。
再びデュッセルドルフのホテルにたどり着いたのは午前1時過ぎだったか。

部屋でTVをつけてみると,おお,さっきの試合の録画をこれからやるようだ。
最後まで見たら3時過ぎですが,見るに決まってるでしょ!
バカですからね・・・


(明日は明日の風が吹くさー。つづく)

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フットボール?
あんな馬鹿馬鹿しいもの
  シラフで見てられるわけがねえ

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