Les Sang et Or

Jリーグ名古屋グランパスサポの日記です。

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UEFAチャンピオンズリーグ決勝 バルセロナ2-1アーセナル

いよいよ決勝。
バルセロナは91/92シーズン以来2度目の,アーセナルは初の優勝を狙う。
舞台はパリ,サン・ドニの「スタッド・ドゥ・フランス」である。

バルサのスタメンは,GKバルデス,DFオレゲール,マルケス,プジョル,ファンブロンクホルスト,MFエヂミウソン,ファンボメル,デコ,FWジュリ,エトー,ロナウジーニョ。
対するアーセナルは,GKレーマン,DFエブエ,トゥーレ,キャンベル,コール,MFフレブ,セスク,ジウベルト,リュングベリ,FWピレス,アンリ。

序盤アーセナルがバルサの中盤のプレスをするするとかいくぐり,ティエリ・アンリが2本続けて決定的なシュートを放つ。
だが,これはいずれも,バルサGKヴィクトール・バルデスが見事にブロック。
スビサレータを失って以来,長年GKには苦しんできたバルサだが,とうとう本物の守護神を手に入れたか?

しかし,盤石ぶりを見せたバルデスをよそに,アンリのこの一連の仕事によって,バルサのDFラインが一気に浮き足だってしまう。
中途半端なマーキングから,たびたびアンリを「浮かせて」しまい,そこから次々にピンチを招く。
もともとバルサのDFラインは,鉄壁というイメージとは程遠く,その守備はあくまでも,強力なMF陣が素早くしつこいプレスを間断なくかけ続けてくれるということを前提としている。
MFが相手ボールに絡んだそのこぼれ球を拾うことで徐々にペースを握っていくのがいつものバルサDFのパターンである。
しかしこの日のバルサDF陣は,試合が始まるや否や,いきなりアンリを中核としたアーセナルの洒落にならない攻撃にさらされたことで,完全にパニックに陥ってしまった。

序盤は明らかなアーセナルペース。これまで守備の堅さで勝ち進んできたチームが,世界一の攻撃力を誇るバルサを押し込んでいる。

しかし,ここで一大事件が勃発。
18分,バルサの攻撃,ボールを保持したロナウジーニョ・ガウショに殺到するアーセナルDF。ギリギリまで持ったロナウジーニョが,イタリア大会アルゼンチン×ブラジル戦でマラドーナがカニーヒャに送ったのを彷彿とさせるような,スパっとした切れ味のスルーパス。トップスピードで抜け出すサミュエル・エトー。アーセナルGKイェンス・レーマンと1対1。飛び出すレーマン。これをかわしにかかり,右にボールを押し出すエトー。
押している展開で先制点を取られることを嫌ったレーマン,エリア外でエトーの足に手で触れてしまう。待ってましたと倒れるエトー。こぼれた先にいたジュリが無人のゴールに流し込んだが,その前にノルウェー人主審テリエ・ハウゲの笛が鳴っていた。
決定機阻止により,レーマンには一発レッドカード。
これまでアーセナルの堅守を支えてきたドイツ代表GKのチャンピオンズリーグ決勝は,わずか18分で終わってしまった。


アーセナルは,ロベール・ピレスに代え,急遽,スペイン人の控えGKマヌエル・アルムニアをピッチに送る。エトーが倒されてバルサに与えられたFKは決まらず,依然としてスコアレスのまま。
1人減らされたアーセナルは,カウンター戦術にシフト。
11人対10人,人数から言えばバルサ有利だがしかし,アーセナルの前線には,少人数でも精緻なカウンターを繰り出すことができるメンバーが揃っている。
こういうとき,1人少なくなった方に先に得点が生まれると,追う11人の方が得てしてキツい・・。

その後は,さすがにバルサもボールを回せるようになるが,どちらかといえば回させられているという印象。
隙あらば喉笛をかっ切ろうと,蛇のように目を細め,バルサのボール回しをじっと見ているアーセナル。背筋が寒くなるような雰囲気。

そして37分,アーセナルのカウンター攻撃。右SBエマニュエル・エブエがスピードに乗ったドリブル突破を見せる。股間を抜かれたバルサ主将カルレス・プジョルが,それ以上の突破を阻止しようとやむなく手をかけファウル。ペナルティエリアの右,バルサにとっては嫌な位置,そして嫌な与え方でのフリーキック。

1人少ないチームにとって,もしセットプレーで点を取れたとしたら,美味し過ぎる展開。その意味では,バルサDFは,このフリーキックにあたっては,最大限に集中を高めて失点を避けなければならなかったのだが,この時間に至ってもその精神状態は普通ではなかった。
アンリが蹴ったFKに合わせジャンプしたアーセナルCBソル・キャンベルに,何故か誰1人として競りにいかない。易々と頭一つ抜け出したキャンベル,素晴らしいヘディングのゴールを決め,アーセナルが先制。

経験豊富なバルサの選手たちはこのゴールの持つ重みを体感していたはず。
これは,早めに追いつかないとやばいぞ・・

しかし前半ロスタイムに訪れたバルサ最大のチャンス,エトーがお得意の光速反転から放ったシュートに対して,スクランブル発進にも拘わらず見事な反応を見せるアルムニア。かすかに触って,ポストに直撃させることに成功し,アーセナル1点リードのまま前半を折り返す。

・・・GK退場で投入された,控えのGKが当たってきた。
今までこういうのを何度も見てきた。これは,まぎれもなく,1人少ない方が逃げ切って勝つ流れだ・・・


バルサ監督フランク・ライカールトは,何とか流れを引き戻そうと,後半,エヂミウソンに代えイニエスタ,ファンボメルに代えラーションを次々に投入。

だが,流れは依然としてアーセナルにある。
焦りのあまりか中央突破に偏ってしまうバルサの攻撃を尻目に,アーセナル攻撃陣は,アンリが再三の単独突破を試み,両翼のベラルーシ代表アレクサンドル・フレブと,スウェーデン代表フレドリク・リュングベリがこれを忠実にフォロー,幾たびかバルサDFを混乱に陥れる。2点目を決めれば,おそらく試合はアーセナルのものだ。
相変わらずメロメロのバルサDF,しかし,そんな中でも,バルサの最後の砦は崩れる気配すら見せなかった。弁慶のようにゴールマウスの前に仁王立ちするバルデス。リュングベリの,アンリの,決定的シュートを次々にセーブし,ひたすらチームの同点ゴールを待つ。

しかし同点の気配は遠い。
イニエスタが時おり効果的なドリブルを見せてリズムを変えるが,最後のところでアーセナルの粘り強い守備にからめとられてしまう。
業を煮やしたライカールトは,この日緊張のあまりか攻撃面で精彩を欠いた右SBオレゲールに代え,後半26分,ジュリアーノ・ベレッチを3人目として投入。サイドバックでありながら圧倒的な攻撃力を持つ反面,守備では常に穴として狙われるベレッチ。

この時間に,この禁断のカードを切ることの意味。
「後ろは気にするな,サイドから攻めまくれ!」
指揮官の想いが実ったのは,そのわずか5分後だった。

31分,ファンブロンクホルストが後方から送った長く強いグラウンダーのパス。
一瞬受けようとしたラーションだったが,その眼は外を全力でフリーランニングするエトーを捉えていた。インサイドでの微妙なタッチ,ボールの速度はそのままに角度だけをわずかに変え,走り込むエトーにぴったり合わせる職人芸。

オフサイドギリギリで抜け出たエトー,左足インサイドでボールを止め,迫ってくるGKの動きを見切ってから,ニアサイドへ右足のシュート。少し浮かせたボールはGKアルムニアが必死で伸ばした右足の上を通過してゴールネットを揺らした。バルサ同点。

明らかな負け試合の流れを,ラーションの技巧とエトーの恐るべき冷静さとでひっくり返したバルサ,同点ゴールを許して少しく意気消沈したアーセナルに対し,たたみかけて一気に息の根を止めに行く。

さらに5分後の36分,後方からのフィード,降り出していた雨でボールがスリップしゴールラインを割るかと見えたそのとき,猛烈な勢いでボールに追いついたラーションが足先でひっかけて,ボールを確保。
ゴールキックだと予想して一瞬集中を切らしたアーセナルDFが見せた隙を,この試合限りでバルサのユニフォームを脱ぐ男,スウェーデンの魂,すべてのFWの鑑,ヘンリク・ラーションは見逃さなかった。

チャンスの匂いをかぎ取ることにかけては自信のあるベレッチが,右サイドからゴール前にフルスピードで走り込む。DFの林をくぐり抜けてその足元に絶妙のパスを届けるラーション。
ベレッチが角度ゼロから右足を振り抜いた強烈なシュートは,GKアルムニアの右足内側に当たって跳ね,ゴールネットに突き刺さった。バルサついに逆転。

逆転ゴールの瞬間,自らの成し遂げた偉業の意味を知り,顔を覆って倒れ込むベレッチ。次々とその上に被さっていくバルサの選手たちのほとんどは,もう勝利を確信していたであろう。
おそらく,1人を除いて。

ロスタイム,既にバルサ勝利が濃厚,来るべき祝祭に備えて誰しもが気の緩む時間。
ジュリが蹴ったシュートをキャッチするGKアルムニア,急いで前線へボールを送るべくパントの体勢に入ろうとしたアルムニアだったが,その身体を手でこづいて動きを封じたバルサの選手が。それはラーションだった。
当然,ラーションにはイエローカード,しかし,時計は進み,アーセナルの早いカウンターは阻止された。のみならず,チームメイトの浮ついた気持ちをもこのワンプレーで引き締め,フットボールが持っている怖さを万人に思い知らせた。
プロフェッショナルの凄み。背筋がぞくりとした。

ラーションのイエローの直後,試合は終了。
1人少ないアーセナルが途中までものにしていた流れを一気に引き寄せ,バルサが鮮やかな逆転勝利で優勝。

贔屓のチームが勝ったということはさしおいたとしても,内容的に実に充実したエンタテイメントなフットボールだった。
何より,ヘンリク・ラーションという選手の偉大さを改めて思い知った日だった。

表彰式,誇らしげにビッグイヤーを掲げるプジョル。似合うなあ。
おめでとうバルサ!
素晴らしい試合をありがとうアーセナル!

そしてラーションよ,これから母国でフットボールライフの最晩年を迎えようとするあなたに,幸いあらんことを!
ヘン!リク!ラーション!ヘン!リク!ラーション!

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  1. 2006/05/18(木) 21:32:48|
  2. サッカー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<ガッザの涙 | ホーム | イヴォ・ヴァスティッチのシュート(4)(完)>>

コメント

テレビの前で、ヘン!リク!ラーション!ヘン!リク!ラーション!とコールしていました(笑)。

個人的にはアーセンが凱旋来日なんてことになったら感情に波風が立つところでしたので、旬のバルセロナの14年ぶりの載冠で満足です。

当たり前ですが、エトー、アンリがペナルティエリア付近で前を向かせると衝撃的な恐怖を感じますね(汗)。
  1. 2006/05/18(木) 23:08:45 |
  2. URL |
  3. クロゴマ #wtcrA5jo
  4. [ 編集]

試合を見返すとラーションはアシストのシーン以外でもワンタッチでうまく球を散らしてましたね。94年W杯で初めて見てからもう12年も経つんだなぁと、月並みながら時の流れの早さを感じるとともに、未だ色褪せないラーションに感動しました。
アーセナルにあのまま逃げ切られたら、あまり記憶に残らないCLになるところでした。
次はW杯ですが、エトーが出られないのはつくづく残念です。
  1. 2006/05/19(金) 09:54:43 |
  2. URL |
  3. クミ #-
  4. [ 編集]

今日、録画しておいた先日のFAカップの決勝を見ました。ジェラードはほんとにすごいですね。去年のCL決勝を思い出しました。
名古屋ももう天皇杯しかないですが、楢崎が杯を掲げる姿が見たいです。
  1. 2006/05/19(金) 16:48:09 |
  2. URL |
  3. クミ #-
  4. [ 編集]

>クロゴマさん
コメントありがとうございます。バルサファンの自分としては、好きなチームに、現役でもっとも好感を抱いているFWが移籍してきて、その最後の試合でヨーロッパのタイトルをもたらすという、夢のような展開でした・・・

>クミさん
あのころは金髪ドレッドでしたね~
スウェーデンは今大会はベスト4以上いくかも?
  1. 2006/05/19(金) 22:50:04 |
  2. URL |
  3. astin #-
  4. [ 編集]

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フットボール?
あんな馬鹿馬鹿しいもの
  シラフで見てられるわけがねえ

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